RCT
クロルタリドン vs. ヒドロクロロチアジド -高血圧による心血管イベント-
- 主要評価項目: 心血管イベント
- 追跡期間の中央値2.4年
サイアザイド系利尿薬のひとつであるクロルタリドン(12.5-25mg/日)とヒドロクロロチアジド(25-50mg/日)の比較。13,523名の65歳以上の高血圧患者の追跡にて比較したところ、主要評価項目(心血管イベント)はクロルタリル群で10%、ヒドロクロロチアジド群で10.4%で有意差なし(HR 1.04; 95% CI, 0.94 to 1.16; P=0.45)、副次評価項目の例として低カリウム血症の有害事象はクロルタリル群で有意に多い(6.0% vs. 4.4%, P<0.001)という結果になりました。クロルタリドンの有効性(心血管系イベント)は非劣性だが、安全性は劣る可能性があるというひとつの新たなエビデンスとして、日本ではご縁がないかもしれませんが、なぜ過去に販売中止になったのかを振り返るきっかけとしていかがでしょうか。販売中止とはいうものの、低カリウム血症の発生率の差も大きいと捉えていいのかは疑問が残ります。
PMID: 36516076
Ishani A, Cushman WC, Leatherman SM, Lew RA, Woods P, Glassman PA, Taylor AA, Hau C, Klint A, Huang GD, Brophy MT, Fiore LD, Ferguson RE; Diuretic Comparison Project Writing Group. Chlorthalidone vs. Hydrochlorothiazide for Hypertension-Cardiovascular Events. N Engl J Med. 2022 Dec 14. doi: 10.1056/NEJMoa2212270. Epub ahead of print. PMID: 36516076.